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子供のむし歯予防

お子様の歯の悩みは虫歯と歯並びではないでしょうか?今回は虫歯についてお話ししたいと思います。
どうして虫歯ができるの?
予防が大切!
フッ素とシーラントが効果的
「どうして虫歯ができるの?」
子どもが虫歯になりやすい
3つの理由と対策
「毎日歯磨きしているのに、虫歯になってしまった…」
そんな経験をされたことはありませんか? また、歯医者さんで「虫歯になりやすいお子さんですね」と言われたことがある方もいらっしゃるでしょう。
実は、子どもが虫歯になってしまう理由には、大きく3つの原因があるのです。
その背景と対策を一緒に見ていきましょう。
1. 親から虫歯菌がうつっている

赤ちゃんの口の中には、最初は虫歯菌は存在しません。
ところが、育児の中で大人の唾液を介して「ミュータンス菌」が感染してしまうことがあります。
特に起きやすいのは、以下のようなシーンです:
・同じスプーンや箸を使って子どもに食べさせる
・食べ物をフーフーと息で冷ましてあげる
・キスや口移しなど濃厚なスキンシップ
特に注意したいのが、生後1年半〜2年半ごろ。奥歯(乳臼歯)が生え始めて食べられるものが増える頃は、もっとも感染しやすい時期です。
このタイミングで虫歯菌の感染を抑えられた子は、その後も虫歯ができにくくなる傾向があります。
2.「磨いている」と「磨けている」は違う

「毎晩ちゃんと歯磨きしてるのに、虫歯ができたなんて…」
こんな声を、私たちは本当によく耳にします。
実は、「歯磨きしている」と「正しく磨けている」には、大きな違いがあります。
虫歯ができやすい場所は次の通り:
・奥歯の溝
・歯と歯ぐきの境目
・歯と歯の間
これらの部分は、意識して丁寧に磨かないと歯垢(プラーク)が取りきれません。
歯が生え始めたら、まずはガーゼや綿棒などで口の中に慣れさせることからスタートしましょう。
小学校中学年くらいまでは、夜の仕上げ磨きは保護者が担当してあげてください。特に寝る前のケアはとても大切です。
また、歯と歯がくっついている奥歯の間には、歯ブラシだけでは清掃が不十分です。フロスを併用することが必要です。
3. ダラダラ食べが虫歯のもと

虫歯菌のエサになるのは、主に砂糖などの糖質(特にショ糖)です。
これを摂取すると、菌が酸を出し、歯のカルシウムやリンが溶け始めます。これを「脱灰」と言います。
でも、唾液にはこの酸を中和し、歯を再び硬くする「再石灰化」の作用があります。
重要なのは、糖質の“量”ではなく“摂取する回数”や“時間”です。
例えば:
・一度に甘いものを食べる → 再石灰化しやすい
・長時間かけて食べ続ける → 再石灰化できず虫歯が進行する
アメ・ガム・グミ・キャラメルなど、口の中に長く残るお菓子は要注意です。
とはいえ、成長期の子どもには間食も大切。エネルギー補給と栄養補助の役割があります。
そのため、なるべく果物やイモなどの自然な甘みのある食品を「決まった時間・決まった量」で与えるのが理想的です。
虫歯予防の基本:原因を知って、対策を取ること
虫歯を予防するために大切なのは、以下の4つのポイントです:
1.虫歯菌の感染をできるだけ防ぐこと
2.歯を強くすること(歯質の強化)
3.正しい歯磨きを習慣化すること
4.食べ方・食習慣を見直すこと
もちろん、全部完璧にできるわけではありません。それでも、小さな積み重ねが大切です。
特に感染しやすい1歳半〜2歳半の間は、周囲の大人が意識を高めることが重要です:
・自分の虫歯をしっかり治しておく
・歯磨きでプラークをしっかり落とす
・コップの共有を避ける
ご家庭でできる予防法いろいろ
・フッ素入り歯磨き粉の使用
・フッ素洗口液でのうがい
・磨き残しを確認する染め出し液の活用
こうした取り組みを通じて、自宅でも虫歯予防は可能です。
専門的な予防は歯科医院で
朝霞本町ファースト歯科では、「歯を強くする」「磨く技術を身につける」「食生活のアドバイスをする」といった、口腔ケアの基本を丁寧に指導しています。
特にポイントとなるのは:
・高濃度フッ素塗布(乳歯・生えたての永久歯は吸収力が高いため有効)
・奥歯の複雑な溝に対する「シーラント」処置
・年齢や発達に合った歯磨き方法のアドバイス
・正しい食生活のサポート
これらを定期的にチェック・実行していくことで、虫歯を予防する力が格段に高まります。
子どもたちのお口の健康を守るためにも、ぜひご家族そろって歯科医院へお越しください。
「フッ素で虫歯予防」ってホント?
「子どもの虫歯予防にはフッ素がいいらしい」と聞いたことはありませんか?
でも実際には――
・フッ素って本当に効果あるの?
・いつから使えるの?
・メリットもあるけど、デメリットは?
など、意外と知らないことも多いですよね。
今回は、フッ素による虫歯予防について、基本から丁寧に解説していきます。
フッ素って何?3つの大きな役割
フッ素は、虫歯を予防するうえでとても頼りになる存在です。その働きは大きく3つあります。
1. 初期の虫歯を修復してくれる

食事をすれば、歯の表面は酸の影響でミネラルが溶け出してしまいます。
でも、唾液の力により歯は自然に修復されようとします。これを「再石灰化」と呼びます。
フッ素にはこの再石灰化をサポートする力があります。フッ素イオンがあると、エナメル質にカルシウムが多く戻され、初期の虫歯が修復されやすくなるんです。
2. 虫歯菌の働きを弱めてくれる

フッ素は虫歯の原因菌が出す「酸」を減らす作用も持っています。
酸の量が少なくなれば、歯が溶けるリスクも減り、結果的に虫歯を防ぐことができます。
3. 強くて虫歯に負けない歯にする

フッ素は、歯の表面にあるエナメル質と結びついて「フルオロアパタイト」という、より強固な構造をつくります。
このフルオロアパタイトは通常のエナメル質よりも酸に強いため、虫歯になりにくい歯質へと変化するのです。
フッ素はいつ塗るのが効果的?
フッ素の効果を最大限に活かすには、「歯が生えたばかり」の時期がおすすめです。
生えたての歯はフッ素をよく吸収するため、丈夫な歯をつくるチャンス。
0〜2歳では、上の前歯の間や歯の根元。
3歳以降なら、奥歯の噛み合わせの溝や奥歯どうしの間が虫歯になりやすいポイントです。
下の前歯が生え始めた段階で歯科医院に通い、上下の前歯がそろったらフッ素塗布を検討するとよいでしょう。
フッ素にはリスクもある?
インターネットや一部の情報では「フッ素は体に悪い」という意見を見かけることもあります。
そのため、特にお子さんの場合「使って大丈夫?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私たちが虫歯予防として使うのは、毒性のある「フッ素(元素そのもの)」ではなく、フッ素を含んだ安全な「フッ化物」という化合物です。
日本では水道水にフッ素を添加するようなことも行っておらず、現在市販されているほとんどの歯磨き粉には、適切な濃度のフッ化物が含まれています。
成分表示に「モノフルオロリン酸ナトリウム」や「フッ化ナトリウム」と記載されているものを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、フッ素は自然界にも普通に存在しており、お茶にも含まれています。
正しい方法・量を守って使用すれば心配は要りません。歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、適切に使いましょう。
フッ素を使った虫歯予防、どんな方法がある?
フッ素を取り入れる方法には、大きく分けて2つあります。
〇家庭でできる方法
歯磨き粉や洗口液、ジェル、スプレーなど、毎日の習慣に取り入れやすいアイテムがあります。
ただ、こちらは濃度が低いため、予防効果は低めです。
〇歯科医院での処置
歯科医院ではより濃度の高いフッ素を定期的に塗布してくれます。
その効果は家庭用フッ素塗布よりも効果的で、より高い虫歯予防が期待できます。
理想的なのは、日常では低濃度のフッ素を使いながら、3〜4ヶ月に一度は歯科医院で高濃度のフッ素塗布を行うこと。
この2つをうまく組み合わせることで、虫歯のリスクを大きく下げることができます。
最後に大事なこと
忘れてはいけないのは「フッ素を使えば完璧」ではない、ということ。あくまでも“予防のサポート”です。
毎日の丁寧な歯みがきと、バランスのとれた食生活を基本としながら、フッ素をうまく活用していきましょう。
お子さまだけでなく、大人や高齢者の方まで、フッ素は幅広い年齢層に安心して使用できるものです。
歯の溝を埋めて掃除をしやすく!シーラントとは?

シーラントはおもに子どもの奥歯(とくに6歳臼歯)など、深い溝がある部分を特殊な樹脂でコーティングして、虫歯を予防する治療法です。歯の溝は食べかすや汚れが溜まりやすく歯ブラシが届きにくいため、虫歯ができやすくなります。そこで事前にその溝全体を封鎖することで、虫歯を大幅に防ぐことができます。
シーラント治療の流れ
1. 歯のクリーニング
まず歯の表面や溝に付いた汚れをきれいに落とします。
2. 乾燥・防湿
歯をしっかり乾燥させ、唾液などが付かないよう隔離します。
3. 酸処理(エッチング)
歯の表面に専用の薬剤を塗って微細な凹凸を作ります。この下処理でシーラントがしっかり付着します。
4. シーラント材の塗布
溝の中に液状のシーラント材を流し込み、すみずみまで行き渡らせます。
5. 光照射で硬化
青色の専用光を数十秒当てて樹脂を固めます。その後、噛み合わせを調整して終了です。
処置は痛みや麻酔もほぼ不要で、10~15分ほどの短時間で終わります。
シーラントの効果とメリット
・虫歯予防効果が高い
溝を事前に樹脂で埋めることで、汚れがたまりにくくなり、小児では約60%の虫歯予防効果が4年以上続くという報告もあります。
・歯の再石灰化を助ける
多くのシーラント材にはフッ素が含まれ、歯の修復と強化の作用も期待できます。
・歯を削る必要がない
虫歯ができてから治療する場合と違い、健康な歯を削ることなく予防ができます。
・保険が適用される
子どもの奥歯などは保険適用になる場合が多く、経済的負担を抑えられます。
シーラントのデメリット・注意点
・シーラントはときどき欠けたり取れたりすることがあるため、定期的な検診や再塗布が必要です。
・歯と歯の間や、歯茎付近にはシーラントの効果は及ばないため、毎日のブラッシングや仕上げ磨きが重要です。
・既に虫歯になった部分には施術できません。早めの処置が推奨されます。
シーラントをおすすめしたい方
・奥歯の溝が深く、子ども自身の歯みがきが不十分になりがちな幼児・小学生
・生えたばかりの永久歯(6歳臼歯など)
・虫歯リスクの高いお子さん
・過去に奥歯の虫歯になった経験がある方
シーラント治療のイメージ
・奥歯の噛み合わせ面には複雑な溝があります。
・シーラント処置後は溝がなめらかになり、汚れがたまりにくくなります。
Q&A
よくあるご質問
どれくらい効果が続きますか?
数年は効果が持続しますが、定期的なチェック・再塗布が必要です。
痛みはありますか?
基本的に痛みもなく、麻酔も不要です。
取れてしまった場合は?
欠けたり取れたりしたら早めに歯科医院で再処置しましょう。
シーラントは奥歯の溝を樹脂でコーティングして虫歯予防を大幅に高める、安心・安全な小児予防治療です。
健康な歯を守るためにとても有効で、定期検診やフッ素塗布と併用してぜひご活用ください。
